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FORMA [映画]

不穏な空気、という言葉を軽々しく使ってはならない。
この映画ほどに不穏でなければ・・・

というくらい「不穏な空気」が充満して、スクリーンから何か得体のしれないものが飛び出てきそうな映画だった。
単館系で上映される映画を見るかどうか取捨選択する手段として、わたしは某サイトの男女2~3人の映画評を参考にしている。
それでこの映画、いずれも異様なほどの高評価。
じゃあ、と見に行ったのだが、辛かった。正直最初の10分でうんざりしたし、イラつきもした。
はずれだったな、と思った。

9年ぶりに再会したアヤコとユカリ。
フリーター生活のユカリを、アヤコは自分の会社に勤めろと強引にすすめる。
初めのうちはそれなりに付き合っていたふたりだが、アヤコの態度が奇妙に変化していく。
ユカリは精神的にじわじわと追い詰められていく・・・

寄りのショットがほとんどないので、登場人物の顔というか表情すらよくわからない。
伝わってくるのは、アヤコの平凡な顔立ちに隠された抑えようのない苛立ちと、アヤコの父親の娘にどこか遠慮し、持て余している様子、そしてユカリの自主性のなさ。
そこに能天気なユカリの婚約者とストーカーが絡んでくる。

実ははずれだな、と思った理由のひとつに、冒頭で話の落ちが見えてしまったこと!
あー、これって父親があーでこーで最後はこうなっちゃうんだろうな、と思ったそのままに話が進んでいってしまった。
ああ、なんのひねりもなかった。
でもこの映画は物語の奇抜さを楽しむ類のものではないから、まだそれはいい。
どうも延々と流れる日常生活のひいた映像、というのがわたしはとても苦手らしく、この映画ではそののぞき見のような映像の積み重ねが肝なので、まあ肌に合わなかった、ということなんだろう。

けれど映画館で見てからすでに2週間近くすぎても、あのざわざわと心の際を無遠慮にもてあそばれているような感覚が、ふとした瞬間によみがえる。
確かにすごい映画なのかも。
でもわたしはこのFORMAという映画、だいきらいだ。

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