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6才のボクが、大人になるまで [映画]



リチャード・リンクレイターという監督は、人の生き様の移り変わりが大好物な人なんだな~、とこの映画を見て改めて思った。
ビフォアシリーズも面白かったけど、本作品もなかなかの面白さ。

メイソンは6才。母と姉のサマンサと三人でテキサス州に住んでいる。
母はいわゆるできちゃった婚で、大学をリタイアしておりまともに稼げない。
祖母が住む街へ引っ越し、大学へもどって稼げるようになりたい。
子どもたちの反対を押し切って引っ越す家族。
そこへ離婚した父が久しぶりに現れる。
よりが戻るかとメイソンはほのかに期待するがそうはいかず、母は大学教授と再婚をする。

平凡な家庭に育ったわたしとしては、十分に波乱万丈な子ども時代に思える(親が離婚するだけでも大事件じゃないか!)。
母親の再婚相手がアル中になり離婚、就職による引っ越し、そして再再婚。
子どもは赤ちゃんの頃、親をふりまわすかもしれないが、この母親だって十分子どもをふりまわしている。

でも別に母親の愛情が足りないわけではない。
ちゃんと稼いで子どもたちを育てているし、メイソンは少々内向的ではあるけれど、グレるわけでもなく、他人とはちゃんとコミュニケーションが取れるし、週末会う父親ともうまくやっている。
平凡な少年の一年のうち数日間を切り取り、12年撮り続けたその執念がすごいよな、と思う。
そして主要キャストが欠けることなく撮影できたこと。
これってけっこう奇跡に近いよね。だって人の明日なんてどうなるかわからないのに。

ただそれゆえに名作か、というとさほどでもないと思う。
ある種の感慨・・・子どもって本当にどんどん大人になるんだなぁ、とか、トゥルー・ロマンスのときはあんなにピチピチしてたパトリシア・アークエットがダルダルのおばちゃんになっちゃうんだなぁ、とか、そういう深い(深いのか?)感慨は、ある。
それはやはり、実際に流れた年月のなせるわざ。
たとえ1年かけて撮影したとしても、加齢の特殊メイクをしたとしても、リアルな時の流れにはとてもかなわない、ということ。
そう考えると、北の国からや、大草原の小さな家みたいなドラマが人気があるのは当然なのかもしれないなぁ。

しごく真っ当な青春を送った主人公は、晴れて希望の大学に合格し、寮に入る。
新しい出会いと、とりあえずどうとでもなる360度どこにでも開けている未来。
親戚の子どもの未来へのワクワク感をおすそ分けしてもらったような、素敵なラストシーンだった。




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