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並べればいいってものでもない [日記]

美術館って金曜日は夜遅くまで開館しているところが多い。
初めて愛知県美術館へこの延長時間を利用して行ってみた。
月映展。今から100年前、田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎3名が版画と詩の本を出版した。

この3人の名前はまったく知らなかったけれど、ポスターの色合いと彫られた文字の美しさに興味をひかれたのだ。
まあとにかく人がいなくてびっくり!
陶磁器資料館とかだとこんな感じはままあるけれど、県美の催し物でこんなに人が少ないとは。
夜だからなのかな~?おかげでじっくり鑑賞できた。

田中は病に侵されながら創作活動に励んでいた。
萩原朔太郎は彼に月に吠えるの装丁を依頼していたが、具体化する前に田中は亡くなってしまう。
彼のめざしたものを理解し完結できるのは恩地だけだと萩原はその装丁を恩地に依頼する。

この依頼の手紙も展示されていたので、頬杖ついてじっくり読んだ。
手紙も名文。

わたくし一応大学では近現代文学専攻(ホントに一応)。
月に吠えるは初版の複製本を古本屋で見つけてほくほく買ったことがある。
とても美しい本だった。が、手放してしまったんだよな・・・
このいきさつを知ってあの本を再読すると、また違った思いがわいてきたろうに。
もったいないことをした。

出版物のための版画なので作品がとても小さいことが、少々作品展としては地味に感じるけれど、作品そのものの力は大きさとは関係ない。
世の中に対する憤りと抗う心、悲しみと慈しみ。
とても素敵な企画だった。

9月には東京にも巡回するそうな。


んで、休日は浮世絵とジャズジャケット展、なるものがあって、ちょいとのぞいてみた。
浮世絵は即売が目当て、ジャケットは浮世絵に関係あるのかなぁ?と思っていたけれど、それは一枚のみで、単にいろいろ集めただけ。
これは少々肩透かし。
こういうのって、単に集めて並べればいいってもんじゃないんだな、としみじみ思う。

大きな蓄音機が見ることができたのはよかったけれど。


DSC_1107.JPG

その後もちょろちょろ動いて、矢場町の交差点近くのスギウラコーヒーへ。
以前通っていた着付け教室がすぐそばで、当時からはいろうかどうしようか散々迷って入らなかったお店。
先日のナゴヤコーヒースタンドにも出店していたので、思い切って入ってみたのだが。
うん、さっさと入っていればよかった。
ビルの二階で、ちょうど若宮大通の新緑がじっくりながめられる。
ゆったりソファー席も。
ランチが充実しているみたいで、その時間を外せばのんびりできる。
コーヒーは淹れ方をプレスとペーパーどちらかを選ぶ。プレスのほうが多分得意なのかな。
あっさり軽めの味わい。

DSC_1109.JPG
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