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さよなら、アドルフ [映画]

1945年の敗戦を迎え、ナチス親衛隊高官だった父と母が去り、残された子どもたちが遠く離れた祖母の元まで旅をする話。
14歳の長女ローレの目線から見た戦後が描かれる。

いわゆるヒトラーの子どもたちを主役にした映画は、ドイツでは珍しいそう。
ヒトラーを崇拝し、当時の教育のままにユダヤ人を劣ったものとして見る少女の目は、まだ子どもだけに容赦のない冷たさだ。
しかし旅をするにつれ、ナチスがどんなことをしたか、誰が悪かったのか正しかったのかが揺らぎだす。
そして道中彼らを危機から救ってくれたのはユダヤ人の青年。

このユダヤ人の青年が何故彼女たち兄弟を助けるのかがいまひとつわかりづらい。
単にお人よしなだけ?
一応ローレと惹かれあっているような描写はあるものの、どうにも煮え切らない。

過酷さに眉を顰めはするものの、さほど印象には残らない映画かなぁ、と思っていたけれど、ラストがわたしにとっては印象的だった。
母が大切にしていた小鹿の置物。
それは無事に子どもたちが祖母の家にたどり着けるようにと祈りが込められていたのであろうことがわかるシーン。
そして祖母の家での食事のシーン。
どうやらナチス時代の考えに固執している祖母と、大人の言うことを鵜呑みにできないことを学んだローレの対立。
戦後、彼らがどうやって折り合いをつけていくのか、傷を癒していくのかが気になる映画である。
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