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バチカンで逢いましょう [映画]

カナダで暮すドイツ人のマルガレーテは夫に先立たれ、家は娘が勝手に売りに出してしまう。
娘一家と暮らすことになるがゆくゆくは老人ホームへと言われてしまう。
敬虔なクリスチャンである彼女は、どうしてもローマ法王にあって懺悔したいことがあり、家族でのローマ旅行を楽しみにしていたが、娘はそれすらもうやむやにしてしまう。
気落ちするマルガレーテだったがすぐに立ち直り、留学準備中でローマに滞在している孫娘を頼りにひとりでローマへ旅立つ。

驚くほど大雑把な脚本・・・笑
特にローマに行ってからは突っ込みどころ満載だけど、たっぷりした体躯のマルガレーテ(バグダッド・カフェのマリアンネ・ゼーゲブレヒト)は軽やかにローマの街を駆け巡る。
あの体格で走れるのか・・・とちょっと感動を覚える。

そのわりには懺悔したいことがヘビーでびっくり。
懺悔する前に娘に告白しちゃうし。
ばたばた大騒動するものの、なんだかほんわか丸く収まってしまう不思議な映画。
煙に巻かれたと言っても過言ではない。
マルガレーテのチャーミングさを堪能するためのもので、他のことはあまり求めてはいけない。
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世界の果ての通学路 [映画]

仕事終わりにちょうどいい時間にやってるから、という理由だけで見た映画だったのに、まさかの傑作だった!
これだから映画館へ行くのは止められない。

多少の編集はあるだろうけどドキュメンタリーの体で、4つの国の子どもたちが学校へ行く様子を撮っている。
ただそれだけなのに感動・・・というと安っぽいな、まあとにかくこの映画を見てつまらないと思う人はそういないと思う。

ケニアの11歳の少年ジャクソンは毎朝片道15キロの距離を、幼い妹とともに通学する。
毎年この国では通学中に象の襲撃にあって数人の子どもが亡くなるらしい。
毎朝父親は彼らの無事を祈って送り出す。
この環境だけ聞いても圧巻だけど、驚くのが彼ら、平地ではほぼ小走り。
そりゃ日本人がオリンピックやなんかで勝てるわけがないよなぁ、と感心しきり。
冒頭映し出される、前日に行う学校へ行く準備の工程も興味深い。

アルゼンチンに住むカルロス11歳は、やはり幼い妹と共に馬に乗って通学。
石ころだらけの崖がいちばんの難所。
日本の道祖神のようにぽつりとたたずむ祠のキリスト像に祈りをささげる。

モロッコの12歳の少女ザヒラは毎週月曜日、22キロの道のりを全寮制の学校を目指して徒歩通学。
険しい山道を途中友達と合流して三人で越えていく。
しかし今日は友達のひとりが足を痛めてしまい、なかなか先に進めない。

インドのサミュエルは生まれつき足が悪く歩けない。
車いすはあるものの、錆だらけで今にも壊れそう。
幼い弟ふたりがその車いすを押したり引いたりして学校へ通う。

どの子どももひたすらに学校を目指す。
そのひたむきさに胸を打たれる。
学ぶ喜びにあふれ、友達と遊ぶ。
とても真っ直ぐな思いがこの映画にはあふれているのだ。
そして彼らがちゃんと将来の夢をしっかりもっていることにも感心する。
親子で見に行ったら終わった後にいろんな話が尽きないんじゃないかなぁ、と思う。
お子さんがいる方は是非親子で。
もちろん大人だけ見てもいいです。


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4月読了 [本]

田村はまだか (光文社文庫)
朝倉 かすみ
光文社 (2010-11-11)
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この作家さんの名前、なんで知ってるんだろう、と思っていたらこれだったか。
確か何か賞を獲ってたよね?
同窓会でしたたか飲んで数人がまだ残っている。
それは遅れてやってくるはずの田村を待っているから。
そういう話なんだけどいやはや、よく練られていて面白い。
合いの手のように頻繁に「田村はまだか」という文体のリズムも楽しい。
残念ながらわたしには同窓会でここまで登場を待ち望むような人はいないので、ちょいとうらやましい気もする。


猫の水につかるカエル
講談社 (2014-04-04)
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猫ものということで手を出した本。
淡々としていて、男性が歳を重ねて達観して皆こんな風になったら戦争も起きないだろうな、などと思ってみたり。
古女房的な猫と主人公の会話がなんだか楽しい。


話虫干
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小路 幸也
筑摩書房
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わたしはひとり気になる作家がいたら、その人の本をひたすら読んでしまう、という癖があって、最近はこの小路氏が気になるのであった。
図書館に勤める男性が、その図書館独特の仕事に派遣される。
それは本の内容が話虫によって書き換えられてしまうのを、その小説の中に入って直す、というもの。
がっつりファンタジー。こういう話はむしろ映像向きのような気がするな。
潜入する話は夏目漱石のこころ。
夏目漱石はどうも肌に合わないのであまりノレず。
広げた風呂敷が広がったまんま終わった感もあり。
発想はよかったけど、もうひとひねりほしい。


薬指の標本 (新潮文庫)
小川 洋子
新潮社
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わたしが小川洋子という作家を初めて意識したのがこの小説・・・
と言っても映画で知ったんだけど。
薬指の標本 SPECIAL EDITION [DVD]
ハピネット・ピクチャーズ (2007-03-23)
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これです。
予告編を見てたまらなく面白そう、と思ったら原作者は日本人だというのでびっくり。
映画はそれはもう、ミステリアスで淫靡でけだるくて喉の渇くものだった。
本当にこんな世界観が日本人に書けるのか?とずーっと疑問だった。
だって博士の愛した数式 の作家でしょ?まった毛色が違わない?
で、読みたいと思いつつ、なんとなく自分で探すことをせずにいたら、うっかり図書館で巡り合ってしまったのだった。
ああ、あの世界だ、と思った。
恐ろしく完ぺきにあの映画はこの小説の空気を映像化してみせたのだなぁ、と。
ちょっと身震いするくらい。
また映画のほうを見たくなった。そしてちゃんと本屋さんでこれは買おう、と心に決めた。

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バクマン。 [佐藤健]



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健くん、神木隆之介主演で、撮影はすでにスタートしている模様。
監督がなんてったって今をときめく大根仁監督。
モテキ(映画版)や、ドラマ版のまほろを撮った人。
今だとリバースエッジね。
去年は怪作恋の渦 もあった(これは実にゲスな映画であった・・・)。

わたしは原作漫画のことはまったく知らないから、巷で言われているキャライメージが逆、というのはまったくわからないけど。
このふたりに大根監督だったら大丈夫なんじゃな~い?と思っております。
楽しみ♪
しかし健くんは先日ビター・ブラッドがクランクアップしたばかりなのに、もう次の撮影なのか。
ちゃんと遊ぶ時間あるのかな~
これがクランクアップしたら多分るろうに剣心のプロモーションだろうし。
忙しいね。
主役もいいけどもっと脇で冷酷な犯罪者とか変態とかやってほしいなぁ、と思うわたしはどうかしてるのだろうか・・・


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そこのみにて光り輝く [映画]

自分のミスで仕事仲間を殺してしまったと、仕事を辞めて怠惰な生活に明け暮れる達夫は、ある日パチンコ屋で人懐っこい青年の拓児と出会う。
誘われるまま彼の家に行くと、そこには寝たきりの父と無気力な母、そして家族のために一日働き通しの姉・千夏がいた。
達夫と千夏はひかれあうようになるが・・・

海炭市叙景の原作者、佐藤泰志の小説を映画化。
両作品とも原作は未読。映画はどちらも同時代に生きる人の話とは思えないほど貧しく暗い。
自分の家もけっこう貧乏だったと思っているのだが、これを見るとどれだけ恵まれた環境だったかが思い知らされる。

千夏は昼はイカの缶詰工場、夜は売春をして一家の暮らしを支えている。
家にしばられどこにも行けず、未来をあきらめ、ただひたすらに生きるだけの日々。
達夫は売春のことを知って動揺はするけれど千夏のことを嫌いになったりはしない。
まさに掃き溜めに咲いた恋花。泥臭い映像が切なさを募らせる。
やがて千夏とともに前へ進む決意をした達夫は元の仕事に戻る気になるが、障害やら不安から千夏はそれを素直には受け入れられない。

この映画は恋物語(というには甘さがほとんどないけれど)であるけれど、もちろん家族の物語でもある。
特筆すべきは菅田将暉の演技。
粗野で頭が悪くて敬語のひとつも使えない、すぐ頭に血が上るどうしようもなくダメな青年。
心根が優しいだけの、ひとりでは這い上がるすべを持たない、そんな青年を熱演。
いや、熱演してるけどそれを感じさせないほどリアル。
共喰いもよかったし。
彼は出演作のチョイスが素晴らしいね。

こういう映画をちゃんとスクリーンで見ることができて本当にうれしい。
そう思わせる映画。



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ある過去の行方 [映画]

アーマドは4年ぶりにパリに降り立った。
妻マリー=アンヌと正式に離婚手続きをするためだ。
彼女は父親の違う娘ふたりと、新しい恋人とその連れ子とともに新しい生活をすでに始めていた。

一見重厚な人間ドラマっぽい空気を醸し出しているのだが、うーんそうでもない。
出てくる大人が本当にダメな人が多くてうんざり。
4度目の結婚をしようとしているマリー=アンヌはその最たるもの。
別に離婚歴があるからダメという訳ではないが、あまりに自己愛が過ぎて嫌悪感を覚える。
こういう人は子どもを産まなくてもいいと思うんだけどなぁ・・・

再婚相手も結局は不倫からはじまった関係で、しかも妻は自殺未遂で植物状態。
その自殺未遂が誰のせいで起こしたことなのか、がこの映画のキモになっている。
キモになってはいるがそれが明かされたといって誰が救われるわけでもなく問題は解決しない。
というかそういう状況の相手と再婚するつもり、という女性の感覚がわたしにはさっぱり理解できない。
理解したくもない。

ま、よーするにまったく肌に合わなかった映画ということです。
新聞の映画評はやたらよかったんだけど、ええ、きっとわたしの感受性が貧しいのでしょうよ。笑
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ジムランコーヒー [食べること]

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ダンナが車で移動中に見つけたお店、ジムランコーヒー
うちからは遠いけれど、ゴールデンウィークの土日エコきっぷで動いた日についでに足を延ばしてみた。
権野のバス停からすぐ。

店内はカウンターに6席、ソファの4人がけがひとつ、大きなスピーカー前にソファがふたつ。
喫茶店としての広さでいえば普通の規模だけど、かなりゆったりした席の配置。
スピーカーの後ろには焙煎機。
ジャズが流れている。
わたしはケニア、ダンナはエチオピアを。
違う種類を頼むとたいていひとくちお互いのを飲む。
たまに「どっちも同じ味になってるじゃん!」というお店があるけれど、ここはしっかり違う味。
おいしい!

ただじっくり抽出しているせいか温度が下がりすぎ。
猫舌のわたしが最初からグイと飲めるってことは相当温度が下がっているんだと思う。
もう少しカップを温めたほうがいいのかも。
居心地よくてのんびりできる。
こんな店が近所にあったら多分、毎日行っちゃうな。
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ファイ 悪魔に育てられた少年 [映画]

誘拐事件をおこした犯人グループは身代金受け取りに失敗。
人質の少年を殺さずファイと名付け、犯罪テクニックを仕込んで育てた。
幼い少年は自分の過去を忘れて育ち、17歳になっていた。

パッと見のポスターの印象でものすっごい美少年が冷酷に育って鮮やかに犯人たちに復讐する話かな~(予告は見てなかった)と思っていたらまったく違った。
もういい加減ポスターで内容を妄想するのはやめておこう・・・

ファイはどちらかというと寡黙で内省的な少年。
個性的な5人の犯罪者の誰もを父と呼び、母(主犯格男性の妻)をいたわる優しい男の子。
テクニックは持っているものの、本格的に犯罪には加担していないという状況なのが導入部。
学校へは行っておらず、目立たないからという理由で制服に身を包み町を歩く。
そして近所に住む朗らかな少女に淡い恋慕を抱いている。
いやあ、もうこういう「内面に屈託のある少年が恋心を抱く」というシークエンスで気分が盛り上がるのは中年だからなんですかね~なんですかね~このときめきってば。

この少年を演じているのがヨ・ジングくん、撮影当時はなんと15歳だったのだとか。
子どもの頃からこの世界に入っていてサッド・ムービーに出ていたとか。
ああ、それ見たわ・・・チョン・ウソンにひかれて見に行ったけど確か全然面白くなかった・・・
そういえば子ども出てたな~でも全然覚えてないや。

この子が特筆するほどの美少年でなく、恋心を抱く少女もいたって素朴な感じなのがまたいいのです。
クライムムービーということを忘れさせるほっこりシーン。
これがあるだけに後半、主人公がたどる過酷な運命が際立つ。この見せ方はうまいね。
どれだけひどい目に合うかはネタバレになるので書けないけど、まあえげつないです。ひどいです。
およそ人間のすることじゃないです。
まあそれも仕方ないです。なんてったってその人悪魔なんですから・・・

単純なクライムムービーかと思いきや、恋物語があり、親子の複雑な関係があり、内容が濃くて見応え十分。
韓国映画で久々にスカッと面白かった映画だなぁ。
犯人一味の一人が小田和正に似てて気になった。笑

そして最後のほうにファイのことを「ものすごいイケメンじゃん!」と若い女の子が言うシーンがあって、そうだ、韓国ではこういう顔の子がウケるんだった、というのを思い出したのだった。
イケメンなのかー、かわいいけどイケメンとは違うよなー
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