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ブルージャスミン [映画]

ケイト・ブランシェット演じるジャスミンは、ニューヨークでセレブ生活を謳歌していた。
不動産で財を築いたハンサムな夫、彼の連れ子との関係も良好。何の不満もない生活。
しかしその生活は、夫の詐欺まがいの行為によって生み出されたものだった。
すべてを失ったジャスミンはサンフランシスコに住む妹ジンジャーの元へ身を寄せる。
セレブ生活をあきらめきれないジャスミンは、なんとかあの世界に戻ろうと必死にあがく。

いやー、なんか久々に疲れる映画だった!
ジャスミンという女性はもともと頭がよくて、大学に通っていたころに夫に見初められ、学業をドロップアウトしてしまう。
その後は贅沢三昧の生活で、自分の力で生活をしたことがない。
セレブの世界を失ってようやく自分には何もないということにうっすら気づいてしまうのである。
けれど当然プライドだけはエベレスト並みに高いものだから、そんな事実に気づかぬふりで、資格をとるだのなんだの、一応文句を言いながらも生活費稼ぎに働いたりもする。
ここじゃない、こんな世界はわたしの住むところじゃない、と呪詛しながら。

元の生活に戻るために嘘を重ね、己から目をそらし続けた先にあるものは・・・
まあそりゃ当然、まともな生活ではないのだ。

セレブ時代とサンフランシスコでの生活は交互に映し出され、セレブ時代だってそんな幸せじゃなかった様子が見えてくる。
でも幸せ云々というよりは、その生活のなんと空疎なことか!もう驚くくらい何もないのだ。
事実、すべてを失ったジャスミンに手を差し伸べる友人すらいないのだ。

そして輝かしくも空疎な生活を失った原因が明らかになってさらに、ジャスミンという人間の愚かさに溜息がでるのである。
悪い人じゃないんだけどね、ただ、からっぽ。
ある意味ホラーに近い映画だと思うわ。

対して妹ジンジャーの泥臭さもまた印象的。
ジャスミンとはまったく違う本能的な生き方。
身の丈を知っている、というか。これってけっこう重要なことだよなぁ。
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