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孤独な天使たち [映画]

巨匠ベルナルド・ベルトリッチ新作。
14歳の少年ロレンツォは、親に一週間のスキー学校へ行くと偽り、住んでいるマンションの半地下にある物置き部屋で過ごすことを計画する。
友人を作らず、孤独を愛する彼は、たっぷりと一週間、好きな曲を聴いて好きな本を読むという誰にも邪魔されない生活を楽しみたかったのだ。
しかし思いがけず異母姉のオリヴィアがが現れ、彼の計画は台無しとなる。
しかもオリヴィアは麻薬中毒で、薬抜きのためにこの部屋へ来たのだった・・・

ベルトリッチはイタリアの人だけど、母国語で映画を撮るのは30年ぶりなんだそう。
独特のにおいがする画面は、イタリア語が流れてくることに違和感をミシミシ感じるほど、フランスくさい・・・
実は中学生円山よりこちらを先に見に行っている。
同じ14歳を主人公に据えながら、こうまで毛色の違う映画ができるとは!ビバ14歳。

物置き部屋と言っても、おそらく昔は使用人の住居として使われていたのだろう。
トイレもシャワーブースもある。広さもかなりのものだ。
もし自分の家にこんな隠し部屋があったら・・・と思うとわくわくする。
ロレンツォもきっと同じ気持ちだったろうに、オリヴィアの乱入で秩序ある時間が目茶苦茶になる。
苦々しく思いながらも、薬を断って苦しむ姉の姿は痛々しく悲惨。
彼女には芸術の才能があり、美しい顔立ちをしているだけに、その悲惨さは余計に見る者に響くのだ。

言い争いをしながらも、この半分血のつながった兄弟はどこか通じるものがあるのだろう、徐々に距離が縮まっていく。
オリヴィアが歌いながらロレンツォと抱き合い踊るシーンは美しくて、あのシーンは一生忘れないだろうな。
ラストが素直なハッピーエンドでない(であろう)ところがいかにもベルトリッチ。
小粒ではあるけれど美しい映画。
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