SSブログ

共喰い [映画]

芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」発言で有名になった田中慎弥氏の小説が原作。
原作未読でございます。
この映画、青山真治がメガホンをとる、ということもあってか、撮影中に何かの番組の芸能コーナーで紹介されていて、この手の地味目な映画にしては珍しい扱いだな~と思った。
主演はいろんなところでちょいちょい見かける菅田将暉、相手役に木下美咲。
ともにアミューズなのね~(健くん絡みでアミューズに反応)

昭和の終わりの山口県下関市が舞台。
お世辞にもきれいとは言えない川沿いの、開発から取り残された町。
夏、高校生の遠馬は幼馴染の千草と神社の神輿倉で時々セックスをする。
遠馬の父はセックスの時に女をなぐる暴力的な男であり、今は琴子という愛人と三人で暮らしている。
母親はとうの昔に愛想を尽かし家出、川の対岸の魚屋で生計を立てている。
琴子をなぐりつける父親を忌み嫌いながらも、自分にも同じ衝動がわきあがることを自覚し恐れている。

ちょっと驚いたのが遠馬の恋人千草の台詞の数々。
たかだか17歳の少女が、いくら体を許した相手とはいえ、あそこまであからさまな性の話をするもんだろうか・・・
おばちゃんびっくりしちゃったわよ。笑

川のシーンが印象的。
土手に放置されたゴミなんかも映し出されるのだけど、暑い夏にいっそう鬱陶しさを募らせる川なのだ。
普通涼しい風が吹いてきそうだけど、画面から立ち上るのは生臭いヘドロの腐臭。
どうにもならないグズグズした人間関係そのものの臭いのような、もわっとその腐臭を嗅いだ気がした。

予告で受けたどうしようもない父親というイメージがあったためか、四六時中暴力的な男なのかと想像していたが、普段はとても温厚なのだ。
怪しげではあるが一応働き、生活に困っているわけではない。
暴力を振るうのはセックスの最中、相手の女にだけで、むしろ年頃の息子にはとても理解のある(というかいささかフレンドリーにすぎる)父親だ。
この辺りが遠馬が父親を憎みきれない原因なのかなぁ、と。

グズグズっと話が進んで、後半に入って一気に加速。
終盤にかけて明らかになる女のしたたかさといったらもう絶句。
これが女の本性だと言われたら、男性諸氏は震え上がるかもね。
いちばんドライに見えた遠馬の母親がいちばん純粋に見えてくるのが不思議。
さすが青山真治、ではあるけれど、生臭過ぎて好きな映画とは言えないのであった・・・
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。